いろいろあって商標を譲渡してもらうことになりました。商標権の移転手続きは特許事務所等に依頼する場合が多いと思いますが、自分で特許庁に行って手続きすることも可能です。
このたびやってみたので、どんな感じかご報告します。
なお、移転手続きの詳しい方法について弁理士でない自分がアドバイスをすると何らかの法に触れそうな気がするので、ここではあくまで体験談的な内容にとどめます。質問はご遠慮ください。
書類を用意する
移転手続きの方法は特許庁のページに全部書いてあります。
僕の場合は
- 会社合併/分割や相続等の理由によるものでない(特定承継)
- 商標を他人と共有しない(全部移転)
ので、「(2)権利を移転したい場合(特定承継・一般承継)」>「特定承継」>「a. 移転登録申請(A→B、AB→C)」に該当するようでした。
提出が必要な書類は、移転登録申請書、譲渡証書、譲渡元の印鑑証明書の3通でした。
移転登録申請書
移転手続きのメインの申請書で、上記ページに様式へのリンクがあるのでそれに従って書くだけです。ハンコ不要でした。また識別番号の欄がありますが、省略しても大丈夫でした。
譲渡証書
これもリンク先に見本があります。これは譲渡元の「譲渡しますよ」という意思を示すものなので、先方にハンコを押してもらう必要があります。
印鑑証明
その押印に伴って印鑑証明ももらいます。これは特許庁に以前提出したものと同じであるとして省略可能なケースもあるようです。今回はお互いよくわからなかったのでとりあえず送ってもらいました。
書類は以上です。
単独申請について
また、手続きに一人で行く場合(移転元が同伴しない場合)は、単独申請という扱いになるようでした。ここに詳しく書いてありますが
単独申請について | 経済産業省 特許庁
譲渡証書に少しアレンジを加える必要がありました。(「単独申請承諾付譲渡証書作成例:特許権の場合」の部分)
特許庁へ
書類が揃ったので特許庁に申請に行きました。印紙を買うので現金を3万円、握りしめていきます。
国会議事堂やら首相官邸の近くです。50mおきに警察が立っていたり、プラカードを持った団体がいたりして緊張感のあるエリアですが、かと思うとたまに社会見学の小学生がワラワラ行列で歩いてきて心が和みます。
特許の庁、特許庁です。
看板がわかりやすい位置にないので外周をぐるっと回ってしまいました。正面入り口はここです。
区役所みたいにフラッと入れる感じではなく、入口で受付表を記入し荷物チェックを受け、受付で申請に来た旨伝えると中へ案内してもらえます。
窓口はいくつかあり、以下の順で回りました。
相談窓口
名称がわかりにくいのですが「産業財産権相談窓口」というところです。書類の書き方が正しいのかここでチェックしてもらいました。
複写窓口
書類のコピー(手元に控えとして持っておく用)を取っていなかったのでここでコピーしてもらいました。1枚32円だったかな。
印紙窓口
ここで収入印紙3万円分を購入します。切手サイズなのに3万円。人生で触れた中で一番高価な紙切れです。
申請終わった後に「写真撮っておけばよかった…」と思ってレシートだけ撮りました。
印紙は貼り間違えると怖いので、まだ貼らずにそのまま出願窓口に持っていきます。
出願窓口
国際窓口と国内窓口に分かれていたので国内のほうに行きます。
書類に問題がないかチェックされ(ここでチェックされるなら相談窓口いかなくてもよかったのかもしれない)、ひとまず問題なさそうとのことで、印紙を貼って提出しました。
ちなみにここで僕は印紙を、移転登録申請書の印紙欄の「(30,000円)」って書いてあるところに重ねて貼ってしまい、窓口担当の人が「アッ!」ってなりました。
文字と重ねず貼るのが正解だそうです。あとで手書きで「(30,000円)」を書き足しました。
一緒にコピーのほうも提出すると、ハンコを捺して返してくれます。
特許庁受付…なんだって?
よく読めませんが、申請済みですよという意味のハンコです。
ここまで15分ほど。ものすごくサクッと終わってしまいました。
食堂に行く
地下は食堂になっていて、一般の来客も利用して良さそうだったので行ってみました。
全体に麺推し。
限定メニューの「ながとも流 辛辛魚ラーメン」を注文してみました。
デフォルトでライスがついていてびっくりした(よく見るとメニューにミニライス付きって書いてある)。思ったよりしっかり辛くておいしかったです。
受付にある記念スタンプを押して帰りました。
コピー商品絶対買わんぞのカワンゾちゃん。
まとめ
実は今回、商標が2件あり、当初1件だけ移転するつもりで弁理士に頼んだんですね。そしたら後でもう1件移転した方がよさそうということになり、今度は自分でやることにしました。
そういう経緯なので1件目で弁理士さんが作ってくれた書類を真似するだけでそろえることができ、スムーズに進められました。
ですがやってみた感想としては移転手続き自体そんなに難しくないので、電話や相談窓口で聞いたりしつつ進めれば未経験でも自分でやれちゃいそうな気もします。
以上、体験記でした。