AUTOMATONの記事タイトルが好きなので紹介します。だいたい2文めがちょっと可笑しい

『サイバーパンク2077』開発者、無料大型アプデ後は「CPUが限界レベルにフル稼働する」と明かし、冷却性能チェックを呼びかけ。それほどぶん回す - AUTOMATON


AUTOMATONというゲーム情報メディアがあります。恥ずかしながら数年前までオートメーションだと思っていたのですが、オートマトンが正しいです。

マリオの乳首に異常な執着を見せるメディアという印象が強く
automaton-media.com

ニコニコ大百科には「AUTOMATONの乳首に関する記事一覧」という項目が立てられているほど
dic.nicovideo.jp

ですが、実際には新規ゲームのリリース情報やアップデート情報、開発者インタビュー記事など一般的なゲーム情報記事も掲載されています。
またインディーゲーム好きならよく名前を見かけるであろうPLAYISMというパブリッシャーと同じ会社が運営しているようです。最近知りました。

このサイトの記事タイトルがちょっと面白いなと前々から思っていたので、まとめたいと思います。


だいたい句点を挟んで2文で構成されてるんですよ。ニュースの概要+補足情報みたいな感じになっています。いま上のほうに出てる記事をいくつかピックアップすると、

  • 荷物整理対戦ゲーム『バックパック・バトル』、Steamウィッシュリスト50万突破。国内向けにはなんと松竹が販売へ
  • ワーナー、今後は「ハリー・ポッター」などの保有IPでライブサービスゲーム開発に注力へ。大作ゲーム開発はビジネス的に“非常に不安定”だとして
  • 『Baba Is You』開発者、新作『倉庫番』風パズルゲームを続々と無料公開。モンスターと戦闘、壁が動くなど独自ギミックが光る14作品

これ自体はニュース系サイトではわりとありがちというか、今パッと見た感じだと同じゲームメディアの電ファミニコゲーマー、ファミ通.com、4Gamersなんかもこの構成が多いです。
なんですけど、AUTOMATONってこれがただの補足情報じゃないことが多いんですよね。


『サイバーパンク2077』開発者、無料大型アプデ後は「CPUが限界レベルにフル稼働する」と明かし、冷却性能チェックを呼びかけ。それほどぶん回す - AUTOMATON
「それほどぶん回す」


カプコンが新卒の初任給を「30万円」に引き上げ、さらに現行社員も平均5%を超える昇給へ。前もいろいろ上げたがさらに上げる - AUTOMATON
「前もいろいろ上げたがさらに上げる」


『エルデンリング』本編のとある盾の紋様が「DLCに繋がる隠し要素ではないか」と大騒ぎされる。重要かどうかはさておき - AUTOMATON
「重要かどうかはさておき」


『サイバーパンク2077』アプデ2.11にて「酔っ払いを殴る」のもちゃんと犯罪扱いに。さすがのナイトシティでもそれは逮捕 - AUTOMATON
「さすがのナイトシティでもそれは逮捕」


動物愛護団体PETA、『パルワールド』で「パルを食べずにプレイしたい」と要望。いつもの団体、今回はちょっとマイルドクレーム - AUTOMATON
「いつもの団体、今回はちょっとマイルドクレーム」


なんていうか、感想?みたいな感じなんですけど、ニュース記事のタイトルだと思うとフッと力が抜ける感じがしてなんか面白いです。

他には、ちょっとツッコミっぽい効果があって面白いパターンもあります。


『原神』にて、海灯祭のイベント配布が「少ない」として中国ユーザーの不満爆発。しかし量は昨年とあまり変わらない - AUTOMATON
「しかし量は昨年とあまり変わらない」


「“Nintendo Switchの後継機”向けのゲームを作っている」との回答が業界調査に寄せられる。存在するのかどうかはともかくとして - AUTOMATON
「存在するのかどうかはともかくとして」


『スクフェス2』グローバル版、始まってもいないのにサービス終了時期を告知して海外ユーザーに困惑される。「開始と終了を同時に告知するゲーム」として - AUTOMATON
『「開始と終了を同時に告知するゲーム」として』


『エルデンリング』宮崎Dの「ごくわずかな秘密が残されている」発言を受け、国内外で“秘密探し”始まる。作り込み多すぎてどれが秘密かわからない - AUTOMATON
「作り込み多すぎてどれが秘密かわからない」


『エルデンリング』DLCの「謎ワーム」がさっそく愛されはじめ、ファンアート描かれまくる。何もかも謎だけどアイドル化 - AUTOMATON
何もかも謎だけどアイドル化


そういう目で見ていくと、役割としては普通に補足情報だなっていう感じの2文めにも、チャーミングなものが多いです。


尿意をこらえトイレ目指すゲーム『Don't Pee』Steamでリリース。自己と膀胱を律してなんとか解放の場所へ。でも時々もよおす - AUTOMATON
「でも時々もよおす」


大人気ドワーフ系ゲーム公式「Steamにドワーフタグ作って」とValveにお願い。いちど却下されるも、やたらと熱心だからかサプライズで追加される - AUTOMATON
いちど却下されるも、やたらと熱心だからかサプライズで追加される


“圧倒的に好評”サイバー都市アクション『SANABI』Steam版、アプデで日本語翻訳が改善。有志の協力を受け、ついに日本語が自然に - AUTOMATON
有志の協力を受け、ついに日本語が自然に


Nintendo Switch改造で巨額の賠償金を課せられた男、この金額は「まだ捕まっていない人へのメッセージではないか」と推察。現在は超長期間の支払いを見据えて生活 - AUTOMATON
現在は超長期間の支払いを見据えて生活


『Counter-Strike』シリーズに長年存在する“謎の強制切断エラー”の原因と対策が判明したとの有志報告。悪名高き「No user logon」の回避策は「ちょっと待つ」 - AUTOMATON
悪名高き「No user logon」の回避策は「ちょっと待つ」


宇宙ローグライクアクション『STARNAUT』Steamにて2月14日早期アクセス配信へ。『エルシャダイ』竹安氏の新作、いきなり498円セールで発売 - AUTOMATON
『エルシャダイ』竹安氏の新作、いきなり498円セールで発売


『ポケモンスリープ』に、“金銀世代の準伝説のポケモン”参戦へ。熱り立ったライコウ、ベッドの隣で寝る - AUTOMATON
熱り立ったライコウ、ベッドの隣で寝る

※余談ですが「熱り立った」で「いきりたった」と読むそうです。へー。


こうやって並べてて思ったんですけど、これらの2文めはただの事実情報の追加ではなく、「その情報の楽しみ方」みたいなものを提示しているものが多い気がします。


たとえばさっき挙げた

『Counter-Strike』シリーズに長年存在する“謎の強制切断エラー”の原因と対策が判明したとの有志報告。悪名高き「No user logon」の回避策は「ちょっと待つ」

でいうと、エラーの回避策がちょっと待つことだったっていうの自体は単なる事実です。

でもあえてエラーを「悪名高き」って持ち上げた後に、わざわざカギ括弧付きで強調して「ちょっと待つ」っていう簡単な解決策を提示することで、問題と解決策の間にギャップが生まれて、ちょっと面白い事象であるように見えますよね。

そんな恐ろしいエラーが、こんな簡単なことで回避できちゃったんだ!しかもそれに今まで誰も気づかなかったんだ!という。


もうひとつ挙げると、

大人気ドワーフ系ゲーム公式「Steamにドワーフタグ作って」とValveにお願い。いちど却下されるも、やたらと熱心だからかサプライズで追加される

についても、Steamにドワーフタグができましたよっていうのは単なる事実ですけど、「やたらと熱心だから」っていう一言があることによって登場人物のしつこさを感じられて面白く感じます。


こうやってニュースの情報にくわえて、その見方というか、視点を提示する役割を2文めがしています。記事をおもしろく読ませるためのガイドというか。

で、これができるのって、それぞれの記事が単に情報を右から左に流しているのではなくて、「この記事のここが面白いんですよ」をしっかり持って書かれているからなのかなと思います。一般的に読み物としての面白さより速報性が求められがちなイメージのあるニュースメディアで、こういうこだわりを持って書かれているのはいいことだなーと思いました。


考えてみると、ゲーム情報メディアって企業系のメディアでも本当にゲームを好きな人が書いていることが多いからか、いいメディアが多いように思います。熱い長文記事の多い電ファミニコゲーマーとか、老舗だけあって業界インタビュー記事の多いファミ通.comとか。いい意味でインディーっぽい熱があるというか。


タイトルがちょっと面白いという話を書きたかっただけなのですが、書き出したらつい理屈っぽくなってしまった。本日の日記は以上です。

追記

Xの反響で声出して笑ってしまった。

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皆さんの好きなAUTOMATONの2文めがあったらぜひ教えてください。随時追記していきます。