これは同意していただけるかどうかわかりませんけど店頭のBGMをShazamで調べてる時が人生で一番人に見られたくない恥ずかしい姿
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2016年11月15日
人様のものをばれないようにこっそり盗もうという浅ましさが強く文化的コソ泥という感じがする
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2016年11月15日
去年とまったく同じことを書きますが、いまでこそ街でかかってる音楽はスマホでサッと調べて家に帰ったらYoutubeやサブスクで聴けるみたいな時代ですけど、かつては良い音楽というのはレコードショップに足しげく通ったものだけが知ることのできる価値のある情報であり、彼女の買い物についていった服屋のBGMがよくて店員にきいたら「有線放送なので分かりません」とか言われたりして、とにかく街でかかっている音楽なんてものは二度と再会することのない一期一会のものでした。
そういう時代に音楽好きとして育ってしまったので、人様がかけている音楽をスマホでサッと盗むなどというのはめちゃくちゃ浅ましい行為のように思えてしまいます。別にほかの人がやってるのは何とも思わないけど俺がやっている姿は絶対に見られたくない…!
のですがそれはそれとして、そうやって盗んだやつを年イチくらいでまとめておくといいかな(将来の自分が)と思ったので2021年版もまとめていきます。
Overcoats / New Shoes
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最初に女性SSWの素晴らしかったやつを4つ続けて行きます。
これはニューヨークの女性デュオ。鳥がチュンチュン言っているのをバックに女性デュオがハモっている曲は全部最高ですけどこれはその中でも珠玉。
今年は全体にどこで盗んだか覚えてないのが多いんだけどこれは100均のセリアだった気がする。
Aroah & Dot Tape Dot / Sound of Keys
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Dot Tape Dotっていうエレクトロニカ系のアーティストとAroahっていうスペイン?のシンガーソングライターの共作。
最近エレクトロニカはあまり熱心には掘ってないけど、2000年前後のエレクトロニカが一番豊穣だった時期に青春時代を過ごしたのでこんなの聴いたら泣いてしまう。
Taxi Taxi! / Old Big Trees
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スウェーデンの双子デュオ。奔放な感じのハモりでとてもよい。いいなー。テーレーレーレーっていうオルガンもいい。
Adrianne Lenker / Snow Song
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ブルックリンのインディー・ロックバンド Big Thief のギター&ボーカルの人のソロ作だそうです。
憂いのある音楽で染みてくる。浸透圧が高い。一人でこれを聴いて車窓を眺めながら遠い所に行きたい。
Khruangbin / So We Won't Forget
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クルアンビンって読むテキサスのバンドなんですけど無国籍グルーヴとかタイ式ファンクとか呼ばれているみたいです。確かに最近のタイのおしゃれな音楽って感じがする。そして何を隠そう、私はタイの音楽がとても好きなので、つまり……この曲がめちゃくちゃ好き。
タイの音楽だと前にも貼ったかもしれないけどこれがすごく好き。確かに似てる。
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これもいい。
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話がそれたので戻ります。
Chris Montez / I Didn't Know What Time It Was
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YoutubeのやつがYoutube Music入ってないと見れなそうなのでSpotifyも貼っておきます。
1960〜70年代に活躍した米国の歌手だそうです。この高くてちょっと不安定感のある声、すげえいいですね……。
この年代のアメリカ音楽っていうことはたぶんイトーヨーカドーで盗んだやつだと思う。
俺くらいの盗みのプロになるとバイオグラフィで盗んだ店が特定できます。
Curt Boettcher / I Just Want to Be Your Friend
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これもヨーカドーかも。同じく1960〜70年代に活躍した米国の歌手。なんておしゃれなんだ……。
Giovanca / Pure Bliss
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オランダのシンガーソングライターです。ソウルポップっていうんでしょうかこういうの。なんでこの曲好きなのかなと思って考えたんですけど、ユニゾンが好きなんですよね基本的に。この曲ヴォーカルがずっとオクターブ違いでユニゾンしてて気持ちよくないですか。最初高い方フルートかなと思ってたけどよく聴いてたら普通にヴォーカルでした。
Madeleine Peyroux / Dance me to the end of love
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『「21世紀のビリー・ホリデイ」との異名をとるシンガー・ソングライター』だそうです。
あらかじめそんなこと言われたらここで俺がわざわざ「良い」っていう必要性が一切ない気がするんですけど、一応言っといてもいいですか。めちゃくちゃ良い。
土岐麻子 / 「美しい顔」
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これはなんと区営のプールの更衣室で盗むというほとんど下着泥棒みたいな卑劣な方法で盗みました。
へーいまこういう人いるんだーと思ってShazamしたらオッこの人20年前から知っとるぞ、って感じで。というかシンバルス時代しかほとんど聴いてなかったのですが、超かっこいいですねこの曲。2019年リリース。
余談
盗んだ音楽はこんな感じでした。今年も外出が少ないのでそんなに数は多くなかったです。現代の最強エアチェックスポットことマクドナルドも一回もイートインしなかったし。
余談として、以下は盗んだ音楽ではないんですけど、今年ネットで見つけてすごい良かった曲です。(今年知っただけでリリースが今年とは限らない)
Nu Guinea / Parev' Ajere
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これすげえかっこよくないですか、なんかスティービー・ワンダーみたいなイントロで始まってそのあとコーラスでブラジルっぽさ出しつつディスコみたいな。他の曲も全部良いです。
Duval Timothy /
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ロンドンのマルチ・アーティストだそうですが、この人はまずピアニストとしてすごい良くて、その人がサンプリングコラージュとか交えて作ったシングル。なにかちょっともう俗世からは生まれえないというか、その向こうにある別の世界が見えていないと生まれえない音楽だと思うんですよね。間違ってこの世に来てしまったのではないかなこの曲は。本当にすごい。
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↑ピアノの曲はこんな感じ
Aung Kyaw Myo / MUSIC OF BURMA Burmese Piano
これは曲というかアルバム単位でって感じなんですけど、ミャンマーの伝統音楽を現地のピアニストがピアノで演奏したもの?って言うとちょっと語弊がありそうで、というのも伝統音楽の中にもすでにピアノが組み込まれていたようなんですけど、とにかくおそらく全部ピアノで演奏するような音楽ではないものをピアニストがソロ曲として演奏している、ということなのかなと思います。
そんな感じでいまひとつ詳しくわかってないのですが、とても面白いし、美しい。
Origins Of Guitar Music In Southern Congo & Northern Zambia
これもちょっといまひとつわかってないのですが、南アフリカとか北ザンビアあたりに50年代にギターが入ってきて、そのときに地元の音楽とどう融合してどんな風に使われたか、ということの歴史的録音だそうです。
そんな古い歴史的録音と思えないくらい録音状態がいいし、ギターの使われ方も原始的なんてことは全然なくて(もともと似たような弦楽器はあったわけなので当たり前といえば当たり前なのですが)、むしろのびのびとした演奏にこのあたり独特のコーラスが加わって超いいです。夏に窓開けて聴きたい音楽。
Canción de Sara Burgos Buschini DÚO
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「また明日来てください、本当に美しいアルゼンチン音楽を聴かせてあげますよ」って山岡士郎に言われて、翌日行くと聴かせてもらえる曲これだと思います。
TRIO BRASILEIRO - VIBRAÇÕES (Jacob do Bandolim)
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ギター始めた影響でギター音楽をけっこう掘ってたのだけど、中でもショーロをよく聴いた。ショーロっていうのは古いブラジル音楽でサンバとかボサノヴァの源流にあたり、世界初のポップミュージックとも呼ばれているそうです。
ジャンルとしてはアドリブ速弾きでやっていくわりと速い音楽なんですけど、これはちょっとゆったりした曲で、3:30あたりからのちょっと哀愁出てくるところがすげえ好きです。
Tolgahan Çoğulu & Sinan Cem Eroğlu - Adanayi Vokhpuh
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マイクロトーナルギターっていうのは日本語でいうと微分音ギターで、要は通常のギターみたいな半音単位じゃなくてもっと細かく音程を分けて演奏できるギターのデュオ。こういう変態っぽい音楽って「わぁ~変~」みたいな楽しみ方になっちゃうことが多いんですけど、この曲は普通にしっとりといい曲で、こういうのって稀有だなーと思うんですよね。
Miroslav Tadić & Yvette Holzwarth / living room concert
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これはMiroslav Tadić っていうセルビアのギタリストと、Yvette Holzwarthはバイオリニストでわりとクラシック畑の人っぽい??んですけど、この動画ではバルカン半島の民謡を弾いています。ゆったり聴ける上品なジプシー音楽って感じだったりそれでもたまにすごいスリリングになるところがあったりする。タイミングを選ばず聴けるいい音楽。
CHURUPACA / DUDA MORENA
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アルゼンチンのバンドだそうです。ジプシー音楽とラテンのミクスチャーって感じの曲で、こういうのが聴きたかった……がついに発見されました。間奏でドワーってジプシーがあふれてくる。クラリネットが最高。
Mother's Delight / Baile an Salsa
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これは今年きいた曲ですらなくて、さっきこの記事書くにあたってTwilog漁ってて見つけたんですけど、冒頭哀愁漂うイントロがあってそのあとパーカッションとピアノがジャンカジャンカっていい始めて「おっサルサが始まる!」と思ったらいきなりアイリッシュが始まってうわやべーってなって鳥肌立ちます。鳥肌立ちぬ。
ずっと真夜中でいいのに。 / あいつら全員同窓会
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J-POPだとこれはめちゃくちゃ聴いたっていうか、音楽聴く前に「とりあえず『あいつら全員同窓会』1回いってアゲとくか」みたいな感じで、とりあえずビールみたいな感じですげえ聴きました。
あとタイトルが本当に最高。
「あいつら全員同窓会」っていう曲名の、具体的な意味は分かんないけどすごいバカにしてるパワーだけはめちゃくちゃ伝わってくる感じがまじで天才的と思っていて、ポリコレ以降の価値観UPDATED時代の罵倒はコレ!!!という感じがする
— メルセデスベン子 (@nomolk) 2021年8月14日
曲として好きなところは最初のサビに入ると同時にそれまでわりと細かくリズム打ってたドラムが急にスッカスカになるのがめちゃくちゃかっこいいです。
Ryan Roth & Halina Heron / Guilty Moon
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ゲームやってたらBGMがめちゃくちゃ良くて度肝抜かれたのがこれです。
Moon HuntersっていうゲームでBGMもあいまって雰囲気はかなりいいんですけど、変化の少ないゲーム性でかなり周回しないといけないので途中で飽きてしまった…。
でもこの曲と出会えただけでもあのゲーム買ってよかった、そう素直に思える名曲です。
tamura / シロプスα (feat. 安藤啓希)[temura Bootleg]
今年SoundCloudで何聴いたっけ、と思って調べたらこれが再生回数トップでした。最近クラブミュージックを熱心に追えてないのでかなり衝撃を受けたんですけど、こういうジャンルあるんですか!? 最近のKawaii Future bass?的なのってわりと音楽的というかEDMっぽいというか、コードとシンセリフがしっかりあって……ってイメージだったんですけど、これジャッジャカジャッジャカみたいな感じでもうめちゃくちゃ荒々しくないですか??これなんていうの? Jersey Club ってタグ付いてたからそれがこういう音楽ジャンルなのかと思ったら違う感じだし、どういうこと!?
ᴍʀ.ᴀsʏᴜ / Pico-Pico-Adventure
あと割と最近なんですけど10年ぶりくらいにDTMを練習し始めてて、それもサンプリングコラージュ的なだけじゃなくてしっかりコード進行とかメロディとか作れるようになりたいなと思って勉強してるんですけど、それってチップチューンが一番ちゃんとやってることじゃない!?とおもってチップチューン的なのよく聴いてました。中でもこの曲が群を抜いてすごい。めちゃくちゃカラフルかつかっこいい。
ちなみにDTM練習の様子はこちらです。
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