ジャンパブロックをブレッドボード代わりに使うと便利

ブレッドボードはテスト的に回路を組んでみるには便利なのですが、一方でちょっとした回路でも無駄にかさばるという難点があります。
このたび、そんな欠点を解消した新技法を考案しましたのでお知らせします。

センサ一個つなぐのにブレッドボードはでかすぎる

休日にイベントに行ってアンケートに答えたらチューリップの球根がもらえたので、子供と一緒に育てることにしました。

子供に積極的な水やりを促すため、土が乾いたらLEDでお知らせしてくれる仕組みを作ることにしました。

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これは土壌湿度センサです。みんなが使っている Seeed や DFRobot のやつではなくて、 alliexpress で120円で買った安物です。ずいぶん前に購入し、部品箱に放置してありました。

いざ使ってみる段になって初めて気づいたのですが、他社のセンサにはない小さな基盤がついています。測定値のアナログ出力にくわえ、測定値が閾値を超えるとHIGHになるデジタル出力機能がついているようです。閾値は基盤についている可変抵抗で変えられます。便利すぎる安物の登場です。

これにより、別途マイコンを使わなくても、単体で水やりタイミングのお知らせ機能が作れることがわかりました。

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センサ、電池ボックス、LEDを接続しました。回路としてはこれだけで完成です。

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オッ、センサーを水に浸すとLEDが点きましたね。

ただですね、鉢の横に仕込むにあたって、ちょっとこれはでかいです。電池ボックスは仕方ないとしてもブレッドボードがでかい。ジャンパ線もモジャモジャして邪魔です。

ジャンパブロックで代用する

そこで登場するのがこれです。

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これはジャンパブロックという部品ですが、本来は

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こういうふうに、基板から出ているピンをブリッジするのに使います。
配線よりもスイッチとして使われる機会の多い部品です。デバイスの動作モードの設定スイッチとしてよく使われています。

これを、ここでは配線に使います。

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基板→ジャンパ線→ブレッドボード、と接続していたのを、全部ジャンパブロックに変えました。

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ブレッドボードに刺すのと同じ要領で、ジャンパブロックに電池ボックスの線を刺していきます。

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ブレッドボードとジャンパ線をなくすことで、さっきと同じ回路がこんなにコンパクトにまとまりました。

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ちゃんと動作していますね。

ジャンパブロックはブレッドボードと違って2つしか穴がないので、これだと分岐が作れなさそうな気がしますが、1口に2本くらいなら無理やり突っ込めば入ります。
上の写真だと、電池ボックスの赤い線とLEDの足を一口に突っ込んでいます。2口に2本ずつ突っ込めば4分岐までいけるかもしれません。

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ちいさくまとまったので、防水のため小袋に入れて、鉢の横に貼り付けることができました。(雑)

今回のセンサ付属の基盤のように、マイコン側の端子がオス(ピンヘッダ)の場合、ジャンパブロックを直接刺せて便利です。Arduino NanoとかMicroとか、Raspberry PiのGPIOとか。
メス(ソケット)の場合は繋ぎに抵抗の足や針金を入れるとよいのではないでしょうか。

まとめ

電子工作といっても、ハード部分は「Arduinoのピンにセンサつなぐだけ」程度のシンプルな回路で、複雑な部分はマイコンのソフトウェア側やネットワークの向こうにある、というようなケースは多いです。
最近はやりのIoTなんかでも趣味レベルではそういうことになりがちで、このような用途にはジャンパブロックはけっこう使えるのではないでしょうか。

とはいえ分岐の多い複雑な回路は作れないので、タイトルの「ブレッドボード代わりに」というのは大げさだったかもしれません。
空中配線の仮止めをササッとしたいときにジャンパブロックが便利!という話でした。

応用

書きながら思いついたのですが、オス―メスとかメス―メスのジャンパ線がほしいのに、オス―オスしか手元にない!!というような場合、ジャンパブロックを簡易的な変換アダプタ(?)として使うことができそうです。

おわりに

上記で作成した水やりお知らせシステムですが、「このような装置を使うより、子供にとっては土を直接触って『湿ってるね』『乾いてるね』などと確かめる経験が重要なのではないか」「信号の HIGH か LOW かで判断する癖をつけてしまうと、人間の感情の機微の曖昧さを理解しないデジタルな人間に育ってしまうのではないか」等の懸念により一日で撤去されました。