去年、Aliexpressで安くなっていたので超音波カッターを買ってみたところ、かなり良かったので紹介したいと思います。
当時Amazonだとちょっと高かったのですが、いつの間にかすごい値下がりしてAliexpressとそんなに変わらない値段になっています。
超音波カッターとは
超音波カッターとは、カッターナイフの刃先が超音波で高速振動して、そのエネルギーで硬いものもめちゃめちゃ切れる!!みたいな工具です。
カッターだと切りにくいプラスチックや木の板も切れるというやばいやつです。
JAKEMY JM-Y10 Pro
今回買ってみたのは、JAKEMYという工具メーカーのJM-Y10 Proという製品。
これまで超音波カッターは5万円とかで、自分のような「たまに使いたい」くらいだと手が出せない価格帯でしたが、これは1万円台前半とリーズナブル。
Amazonなら執筆時点でクーポン価格 ¥13,997、
※型番書いてませんが同じものっぽい自分はAliexpressで買いました。ちょうどセール中らしくAmazonより1,500円ほど安い。

※USプラグを選ぶこと!
付属品含め、中身一式はこんな感じ。

出してみます。

左上から、
- 指先グローブ
- 替え刃とアクセサリ
- 磁力パッド
- 本体
- USB電源(本体から取り外し可)
です。
替え刃類のラインナップはこんな感じ。

刃は各10枚ずつ。今回取り上げてませんが研磨用ヤスリも1本ついています(右下のピンクの)。替え刃については正直、#2でさえあれば事足りるのでは感はありますが…。
右上のネジ類や六角レンチは刃の交換用、右下にヤスリと一緒についてる金具は刃をセットするためのホルダーです。
さっき紹介した磁力パッドは何のためについているかというと……

こんな感じで交換した刃とかを失くさないようにくっつけておけます。
本体キャップはロック付きで安全。

またキャップの先端が収納スペースになっていて

替え刃やレンチを入れられるので、携帯時にフルセット持っていかなくていいのは便利です。
次は実際に使ってみてどうだったか、ご紹介します。
切れ味について
ざっくり感想ですが
- プラスチック・樹脂系は超得意。任せろ。
- 木や厚紙は切れるけど焦げる
- 金属、ガラスは厳しそう
という感じです。切ってみたものを順に紹介します。
あとでまとめた動画も載せるので、速さを知りたい方はそっちを見てください。
プラスチック部品(ピンヘッダ)
電子工作用の部品で、コネクタピンをプラスチックで束ねたものです。何列も繋がっているものを切り離して使います。
大量に使う用事があったので、超音波カッターで一気に切りました。

まさに本領発揮という感じですね。普通のカッターだと周囲4辺からコリコリ切り込みを入れてペンチでパキッと割るという工程で1回3分くらいかかっていた(しかも変なところで割れる失敗多し)のですが、超音波カッターなら5秒。失敗もなしです。これだけでも本当に買ってよかった…。
ペットボトルキャップ
こういうプラスチックは普通のカッターでも切れなくはないですがそこそこ大変だし、力をかけることになるので怪我しやすいです。
超音波カッターなら力を入れなくていいので安全にヌルっと切れます。


まっぷたつ。
3Dプリント出力物(PLA)
PLAの出力物ってとにかくカチカチなので、リューターでもないと加工って難しいと思うのですが、とはいえリューターって切断には向いてないですよね。そこで超音波カッターです。これもヌルっと切れます。
さっきから「ヌルっと」って言ってますが、PCのグラフィックの滑らかさを表す「ヌルヌル」っていう表現あるじゃないですか、超音波カッターで樹脂を切るのはあれと同じ快感があります。

断面。

塩ビパイプ
家に余っていた塩ビパイプの切れ端。分厚いのでちょっと時間はかかりますが、切れます。
ただ、1回目の切断では溶けた切り口が再び固まったことでくっついてしまい、2回切断する必要がありました。


PET樹脂板(2mm厚)
こういうのは得意中の得意です。ヌルっとする暇すらなくスルスルと切れます。

30度の刃を使っていて、デザインナイフみたいな角度なので曲線も切れます。ただゆっくり切ると樹脂が溶けていくので、デザインナイフほど細かい作業が得意ではないです。

切り口が溶けて厚くなってるのわかりますかね?
プラモデルのランナー切ったりするような切断系作業は細かいものでもいけそうですが、形を切り出す/削りだすような彫刻系の精密加工には向かない気がします(特に削り出しはリューター使った方がいい)。
木材(ラワン 2.3mm)
切れますが、一発で裏側まで刃が入らないので、何度か切る必要があります。カッターナイフより1回のカットで深く刃が入るので、体感10倍くらい速く切れそうです。ただ樹脂ほどスルスル切れるわけではないです。

そして切り口が焦げます。

レーザーカッターみたいですね。切ってるときに木が焦げるいい匂いがするのは長所です。
ガラスエポキシ基板
個人的に地味に切る機会が多く、かつカッターナイフだと時間がかかってイヤな素材。
超音波カッターをもってしても完全に切断するのはちょっと大変そうです。でもくっきりと切り筋を入れるのは簡単にできるので、裏表から筋を入れて手でパキッとやればあっという間に切断完了。めちゃめちゃ便利じゃん…。


アルミ缶
あまり超音波の効果を感じられず。
薄いので力ずくで刃を押し込んで切ることはできますが、力ずくで行くならそもそも普通のカッターナイフでよくない!?という感じ。
全体的な感想(いいところ、わるいところ)
切れ味について
超音波カッターについて調べると「刃を超音波で振動させて対象物をカットする」とありますが、これは「超音波自体と、それによって生まれる?熱で切っている」という印象でした。なので木材は焦げますし、プラスチックは切り口の樹脂が少し溶けることで非常に滑らかに切れていきます。そして副作用として、切り口に多少の変形が生まれます。
木材が樹脂に比べて切れにくいのは、この素材が溶ける効果が使えないからですね。
いっぽうで完全に熱で溶かし切っているかというと決してそうではなく、別の工具でプラスチックを熱で切断するためのホットナイフというものがあるのですが、超音波カッターを使ったほうがはるかにスムーズかつ変形が少なく切れます。
↑ホットナイフ。はんだごての先端をナイフにしたような工具で、溶けた樹脂が糸を引いたりしてけっこう使いにくい安全面のメリット
実は安全面のメリットが大きい気がします。硬いものをカッターナイフで切ろうとするとグググって力を入れることになるので、勢い余って指とかをスパンっていって大けがすることあるじゃないですか。超音波カッターなら力をかけなくても切れるので安全です。
とはいえ切れ味自体がいいので幼児とかにはお勧めしないですけど、工作好きの小学校高学年とかだったらこっちの方が安全度高い気がします。切断対象によっては熱くなるので(金属部がある部品など)、付属の指先グローブをした方がいいかな。
悪いところ
欠点としては、まず一番大きいのは電源が必要なところですね。後述するオーバーヒートの概念があるのも、たくさん作業したい人にはもどかしいかも。
それから使用中キーンっていう甲高い音がするので(上で貼った動画を参照)、ガラスをひっかく音とかが極端に苦手な人は耳栓かノイズキャンセリングイヤフォンの併用を推奨します。
仕様について
後回しになりましたが、カッターの機能について説明します。
カットのモードは3種類あります。

スライドスイッチが見えると思いますが、AUTO、LOW、HIGHの3つです。
LOWとHIGHはその下にあるボタンを押しているあいだだけ超音波が出るので、押しながら切ることになります。AUTOのときは勝手に超音波が出るので、細かい作業をするときはAUTOの方が操作しやすいかもしれません。
また、温度監視用のモニターもついています。

メーターがMAXになるとオーバーヒートで動作が停止します。
あんまり長時間使用したことはありませんが、切ったり置いたりしながらの作業で30分くらい使っても大丈夫でした。(連続使用だともっと短いと思う)
切れないときは
何度か「切れないなー」と思ったことがあったので確認事項を書いておきます。
まず、LOW/HIGHの場合はちゃんとボタンを押しながら切っていることを再確認。また、刃の横についている、刃を固定するネジがしっかり締まってないと全然切れなくなるので、しっかり締め直しましょう。
あんまりないと思いますが、刃を変えたときにこの金具

を入れ忘れると全く切れなくなるので必ず入れること(一度やった)。
最後にあくまで自分の印象でしかないのですが、温度が上がってくると切れにくくなる気がするので、一回クールダウンさせてみるのもいいかも。
カッターマットについて
普通のカッターマットだとマットごと切れます。なのでおすすめはガラスのマットです。
普通に使うぶんには特に傷がついたりもしませんでした。ただ超音波効果なのかガラスをひっかく音が大きく鳴るので、苦手な人は避けた方が良いかも。
ちなみにこのガラスマット、刃がよく滑るのでカッターナイフ用のマットとしても普通におすすめです。(普通のカッターだと、ひっかき音は出ません)
まとめ
まとめると、
- プラスチックを切りたい人にはとにかく最高
- 木や厚紙も切れる
- 金属やガラスは無理
- 切断が得意。精密な彫刻作業には向いていない(彫刻用途はリューターのほうがおすすめ)
- 長時間の連続使用も不可
- プラスチックを切りたい人にはほんとに最高
というわけで、今まで切れなかったものを切りたいという人、カッターナイフで切るのにだるい思いをしていた人には完全におすすめです。
自分は電子工作が中心ですが、コネクタの加工とかケースの穴空け、分解作業、アームやリンク機構を作るときの加工、3Dプリント部品の微調整など、意外にプラスチックを切る機会ってあるんですよね。
プラスチックガチ勢(?)は高いの買った方がいいと思いますけど、自分のようなライトユーザーや、いったん安いもので超音波カッターを体験してみたい、という人にはぴったりだと思います。
Amazonなら執筆時点でクーポン価格 ¥13,997。
※型番書いてませんがどう見ても同じもの自分はAliexpressで買いました。ちょうどセール中らしくAmazonより1,500円ほど安い。

※USプラグを選ぶこと!



