このブログには何度か書いていますが、去年からクラシックギターをやっています。
壁の厚いマンションなので主に夜に練習していたのですが、ある日、掲示板に「どこの部屋とは言いませんがうるさい人がいます(要約)」という張り紙がありました。詳細が書かれていないのでうちかどうかもわからないのですが(そうだったらほんとごめん)、そうでなくとも集合住宅である以上は配慮はせねばという気持ちになり、ヤマハのサイレントギターを買いました。
見てのとおり、ボディがフレームだけなので生音が響きません。そのかわりエレキギターみたいに電気的に音を鳴らします(つまりヘッドフォンで練習できる)。
ただそれだと生のガットギターからはかけ離れた音になってしまうので、そこでヤマハ独自のSRTパワードピックアップシステムを採用し自然なアコースティックサウンドを……みたいな感じのやつです。
さすがに生音そのまんまの再現度とは言いませんが、日本の住環境を考えると非常にありがたい楽器です。
が、ちょっと問題もありまして…。
クラシックギターの演奏フォームについて
ちょっといったん話がそれます。
繰り返しますが僕はクラシックギターをやっているんですよね。
クラシックギターってフォームが独特なんですよ。
アコギってこんな感じで
横向きで構えますよね。これって左手の親指を指板の上に回して、握るように持つからなんですね。写真はちょっと極端ですけど。6弦おさえるのに親指使うこともあるみたいです。
一方でクラシックギターは
ちょっとガニマタすぎなんですけどそれはさておいて、ギターのネックをこういう感じで立てるんですよ。親指をネック裏の低めの位置に置くことで残りの4本指の可動域を広げるんですけど、そういう持ち方をすると人体の構造上、こうやって斜めに構えるのが自然な姿勢になります。
で、この角度でギターを保持するためには、右ひざを上げる必要があるんですね。本当は足台っていう専用の道具があるんですけど、どっかに行っちゃったので写真ではスタイロフォームの切れ端を踏んでます。
中には足台を使わずに足を組む人もいるんですけど、いずれにせよ片足を上げて骨盤がゆがんだ状態で長時間練習することになるので、腰に悪いんです。腰痛はクラシックギタリストの職業病とも言われています。自分が習っている先生も腰はやばいらしいです。
ギターサポートというアイテム
そこで、僕は
こういう、ギターサポートとかギターレストとか呼ばれる支持具を使っています。これを使うと足を上げなくて済むので、腰を痛めにくくなるそうです。
こういう感じで吸盤でくっつけられるようになっています。
サイレントギターでもこれを使いたいわけですが、ところがですよ。
サイレントギターは薄い!!!
クラシックギターモデルっていうなら厚みもクラシックギターに合わせてくれればいい気がするのですが、実際はエレキギターみたいな薄さです。
演奏上はそれほど問題ないものの、ギターサポートの吸盤はつけられないんですね。
困ったな……ということで、前置きが長くなりましたがこの記事はサイレントギターで使えるギターサポートをDIYするまでの記録です。
クッションで行く
先ほど吸盤でつけるタイプのギターサポートを紹介しましたが、実は他にもいくつか種類があります。まずはこういうタイプの自作を考えました。
脚の上にクッションみたいなのを置いて、その上にギターを構えるタイプです。
楽器屋で試したところちょっと低かったので、自分に合った形を自作することにしました。
工作が雑!!
ですがプロトタイプなのでこんなものでしょう。
楽器を持ってみると…
悪くない。悪くはないです。
しかし3日くらい使ってみると、ちょっと気になることが出てきました。
なんか不安定。前後にグラグラするんですよね。最低限使えなくはないのですが、ちょっとイマイチかなという感じでした。
Thingiverseにあった
他にいい手はないかなーと検索していると、なんと3Dモデル共有サイトのThingiverseに、そのものずばりのギターサポートがありました。
僕が持っているのはSLG200NWで型番が違いますが、ボディは同じ形のようです。さっそくこれを3Dプリンタで出力してみました。
さっそく構えてみましょう。
わりといい感じです!!やはり持つべきものは先人!!!!!!
つけたまま立てておけるのも良い。
というわけでこれでまた2~3日練習してみたのですが、これはこれでちょっと気になることが出てきました。
上下に動く。やっぱり固定が不安定だったのです。
あと、突起部分を樹脂で包んでいるので、そこの表面が傷つきそうなのが気になりました。新しい楽器なので。
というわけでこちらも納得の行く出来ではありませんでした。うーん、どうしよう……。
原点に立ち返る
いろいろ考えたんですけど、せっかく使い慣れたギターサポートを一つ持っているなら、それを活用すべきではないでしょうか。
吸盤以外の方法でギターに取り付けられるようなアタッチメントを作っていきたいと思います。
これが元の姿。
で、
こうの
こう。
適当に作ったモデルを3Dプリンタで出力。(2回ほど試行錯誤しました)
ギターサポートからは吸盤を外したうえで、ネジと滑り止めマット、結束用の両面マジックテープを用意しました。
ネジ止めしたものをギターに取り付けていきます。
こっちはこうやって挟みこむように、そして
こっちはマジックテープで巻いて固定
ついた。完ぺきでは!?!?
はい完璧に完璧!
固定もしっかりできており、まったくグラグラしません。ギターとの接触部分には滑り止めマットを挟んでいるので、傷がつくこともなさそう。
本体は市販のギターサポートをそのまま使っているので、高さ調整が可能なのもいいところです。
これで弾き心地も健康も損なうことなく、サイレントギターで練習ができるようになりました!やったね!
やはり持つべきものは3Dプリンタでした。音楽やるならまずは3Dプリンタを買いましょう。
データとか
アダプタのモデルはThingiverseにアップしておきました。
www.thingiverse.com