これまでに作ってものすごく重宝している自作ツールを紹介します(電子工作編)

先日「編集者が最近のフロントエンド技術に初挑戦して仕事用アプリを作ったので見て - nomolkのブログ」という話を書いたんですけど、その反響に「自分が使いたいものを作ってみるのが一番勉強になるよね」というようなことが書いてあって、あーそれはそうだなと思いました。たしかにプログラミングでいうと、日々の業務の中でスクリプト使うと効率化できそうだなというシーンはわりとあって、そういうところを実際に自動化してみるとけっこう練習になる。

で、それはそうなんですけどそれってその他の分野にもが効くのか、たとえば自分のもう一つの趣味であるところの電子工作だったらどうなのかしらと思って振り返ってみると、プログラミングほど簡単に電子工作で解決できる課題ってそのへんに転がってない気がするんですよね。とはいえ自分の経験としていくつかはそういうのがあるので、ここで共有しておくともしかしたら誰かの参考になるかなと思いまして、ご紹介させていただきます。

で本稿の目的として、俺の作ったもの見て見て!というよりはこれをきっかけにみなさんの便利小物を見たいという思いがあるので、もし何かいいもの作ってる人がいたらブックマークコメントやTwitter(@nomolk)等で教えてください。

ケーブル・アダプタ類

簡単なのからいきましょう。

USB-ACケーブル

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片方がUSB-A、片方がACアダプタのプラグ(DCプラグ)、というケーブルです。
家にあったUSBケーブルをほぐして、DCプラグをつけました。(DC側のネジが締まってませんがそれはさておき…)

これなんに使うかというと、
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本来ACアダプタで使う機器がモバイルバッテリーで動きます。便利!
……とかいって5Vの機器限定だしアンペア数の問題もあるのでそうそう動かないんですけど、たまに動くものがあってヤッタネ!という感じです。

で、実はそれはメインの用途ではなくて、本当は自作の電子工作の電源ケーブルに使っています。僕はなにか作るときに電源コネクタを全部DCジャックにしています。そうすると、まずコンセントがある時は普通にACアダプタ刺せるし、ないときはこのケーブルを使ってモバイルバッテリーがつなげられるんですね。2パターンで電源取れるので便利なんです。
使い勝手でいえば電源コネクタはマイクロUSBでもいいんですけど、基板実装のときに変換基板がないとつけられなかったりする。DCジャックはスイッチサイエンスにブレッドボードで使えるDCジャックっていうのが売ってて、これがそのままユニバーサル基板でも使えるので買いだめしてあります。

ちなみに今回は自作の記事なので趣旨から外れますが、このタイプのケーブルはAmazonでも買えます。

あと千石電商にもあった。僕も自作は1本だけで、2本目以降は買ってます。

制作によって得られる技術:ケーブルを分解する、はんだ付け、ケーブルにジャックをつける

USB-ジャンパピン ケーブル

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片方がUSB-A、片方がジャンパピンのケーブルです。
何に使うかは一目瞭然ですが
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ブレッドボードでモバイルバッテリーを使いたい時に使います。

家にあったUSBケーブルと、ブレッドボード用ジャンパ線を合成しました。
銅線同士をつないだ部分は熱収縮チューブで絶縁しましょう。あと写真のものは5VとGNDを間違えやすいので、いろんな色の入ってるチューブを買って赤黒に分けたほうがよかったかも。

制作によって得られる技術:熱収縮チューブの取り扱い、ケーブルを分解する、はんだ付け

話は逸れますが電子工作に使うモバイルバッテリはこれがおすすめです。

LED点けるだけの回路とかだと消費電力が少なすぎて、普通のモバイルバッテリだと給電切られてしまうんですね。これは電子工作用をうたっていて、勝手に切れることがありません。

LCDをブレッドボードに刺すアダプタ

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秋月に売ってる小さいLCD(文字を表示できる液晶)をブレッドボードに刺すためのアダプタです。
これコネクタが、7×2のピンヘッダ(かピンソケット。自分で好きな方をはんだ付けできる)なんですよ。2列なのでそのままだとブレッドボードに入らないんですよね。その間隔を広げるためのアダプタです。ユニバーサル基板と長めのピンヘッダを組み合わせて作りました。
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あんまり使う機会はないけどたまに便利。

制作によって得られる技術:ユニバーサル基板の取り扱い、ピンヘッダの取り扱い、はんだ付け

マイコン関連

AVRライター

以前、Arduinoのかわりに単体のAVRを使うと150円くらいで済むのでお得という記事を書いたのですが、そこにも登場したAVRライターです。
単体のAVRに、Arduinoの開発環境で書いたスケッチを書き込むことができます。
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作り方は先ほどリンクした記事を見てください。ブレッドボードで書き込むための回路が載っていますが、それをユニバーサル基板に移しただけです。
1枚で8ピン・20ピン・40ピンのAVR全部に対応しているのががんばったところです。

制作によって得られる技術:Arduinoの取り扱い、ユニバーサル基板上の回路設計、はんだ付け

サーボモータ関連

ArduinoやAVRでサーボモータを動かすための基板

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サーボモーターを使うとき、ArduinoとかAVRの5Vポートは200mAくらいしか流しちゃいけないようなので、念のためマイコンとサーボを並列につなぐことでマイコンを通さずにモータに給電しています。(このやり方であってるんでしょうか?)
そのための配線をいちいち作るのが面倒なので、あらかじめ基板化して使い回しています。コネクタ形状違いで何枚か用意してあります。

制作によって得られる技術:サーボモータの使用、ユニバーサル基板上の回路設計、はんだ付け、など

サーボテスター

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サーボモーターをテストするための基板です。動くかどうかのテストだけでなく、Arduinoのservo関数の引数を見ながら動かすことができます。

作品を作るときにまずこのテスターを使って実際にサーボを動かしながらサーボの先のメカ部分を作り、その数字をそのままArduinoのスケッチに記入してから、本番のマイコンに差し替える、という運用が可能です。
スケッチのソースだけGithubにアップしておきますので実際に作る方は参考にしてください(人に見せるのを想定してなかったので汚いですがすみません)。サーボのパルスの範囲が変えられたりセンターに戻る機能がついてたりしてやたら高機能です。

ちょっとだけ部品の話をすると、こういう感じでユニバーサル基板で使える半固定抵抗(かボリューム)で、垂直方向に向いててツマミの付けられるものって意外になかったんですよね。けっこう探しましたが、ALPSからちょうどいいのが出てるのが見つかりました。
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秋葉原の秋月の近くにあるマルツの店頭で見つけました(3年くらい前に買ったので今もあるかは不明)。取り付け時、左右についてる固定用の足だけ、基板の穴を広げないと入らないです。なのでブレッドボードは不可。

制作によって得られる技術:Arduinoの取り扱い、LCDの使用、アナログピンの使用、サーボモータの使用、ユニバーサル基板上の回路設計、はんだ付け、など

テスト関連

簡易導通チェッカー

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導通チェックするのにいちいちテスターを出してくるのが面倒なので作りました。ブザー回路を途中で断線させてあって、黒ロッドと赤ロッドを導通させるとブザーが鳴ります。
ただ本当はテスターの回路ってこうじゃないので(これだと基板に使うと他の部品の影響を受けてしまうし、基板側のLEDが光ったりする!)、いつでも使えるわけではないのです。でもケーブルの断線調べたりするのには便利。
ちゃんとした導通チェッカーもそのうち作りたいです。

制作によって得られる技術:ブザー回路の設計、ユニバーサル基板上の回路設計、はんだ付け、など

IC検品機

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Capsule Cheeperのキットを作った時に、555ICの検品のために作りました。Capsule Cheeperと同じ回路が基板に載っていて、ICソケットに555を載せると動作確認ができます。
その他、スピーカーのチェックや、抵抗値で音がどのくらい変わるかのテストもできます。

制作によって得られる技術:アナログ回路の設計、ユニバーサル基板上の回路設計、はんだ付け、など

個人的に作って重宝しているものは以上です。こうしてみると日常生活の課題を解決するというよりは、電子工作をしやすくするための電子工作がほとんどですね。
あなたが作った便利ツールがあればはてなブックマークやTwitter(@nomolk)等で教えてください。数が集まるようだったら紹介記事を書かせていただこうと思います。あと電子工作編以外の編はたぶん書かないと思うので誰か書いてください。