3Dプリンタを使って子供が描いた絵をキーホルダーにする方法を書きます。これはこちらの記事の補足なので先にリンク先を読もう。こういうものができます。
小さい子供を持つおとうさんおかあさんにはちょっとたまらない感じじゃないでしょうか。子供も死ぬほど喜びます。いや死ぬと困りますね。死なない程度に喜びます。
写真だと色がついているのでわかりにくいですが、板の表面を線画の部分だけ出っ張らせたものです。色は出力後に油性ペンで塗っています。
プラ板に描いてオーブンで焼いたりすれば同じようなものが作れますが、こちらはキーホルダーにする前提でなかった絵もあとからキーホルダー化できるのがいいところです。
使用ソフト
- Photoshop、GIMPなど何かしらのレタッチソフト
- Fusion360(モデリングソフト)
1.子供に絵を描いてもらう
これがないと始まりませんので、適当におだてたりおやつで釣ったりして、うまくそそのかしましょう。
2.スキャンして白黒にする
今回のキーホルダーは絵を1段階の凹凸だけで表現しているので、原画をモノクロ2階調に変換する必要があります。
Photoshopの場合は「2階調化」というメニューがあります。他のソフトにも似たような機能はあると思うので探しましょう。
細かいゴミは消して、余白もトリミングしておきましょう。
できたらPNG形式等で保存します。
3.svgデータに変換する
画像をFusion360に取り込むためにはベクタデータに変換する必要があります。
ここのやり方はいろいろあると思いますが、WEBサービスを使うのが手っ取り早いです。
記事のためにいろいろ試しましたが、Online SVG image converterとFree SVG Converterの2つがいい感じでした。
Online SVG image converterです。わりとざっくりした線になり、ディテールは潰れます。そのかわりデータが小さくて、Fusion360に貼りつけてからの動作が軽快です。
もしかしたらオプション変えればもうちょっと繊細にもできるかもしれない。
こちらはFree SVG Converterです。注意点としては写真をアップロードした後、Details に Strong を、Filters に Invert #4 とか Ready #3 とかの数字が大きめの項目を選ぶことです。そうしないとディテールが細かくなりすぎて、Fusion360に取り込んだ際にめちゃくちゃ重くなります。
できたSVGは適当な場所にダウンロードしておきます。
4.Fusion360へ絵の取り込み
Fusion360を起動します。
「挿入」メニューの中に「SVGを挿入」があるので選択します。
面選択モードになるので普通に手前の面を選択します。そのあと右に出てきたウィンドウ内でファイルを選び、OKで取り込みます。
取り込み終わったら、いったん取り込んだ図形を全選択して右クリック、「固定/固定解除」しておくといいっぽいです。
キーホルダーの輪郭線を書きます。スケッチメニューの中に「スプライン」があるので使ってみましょう。キーホルダーなので金具を止める穴の位置を確保するのを忘れずに。
形状は後からポイントを動かして編集することもできるので、雑でいいです。
書き終わるとこんなふうにサボテンみたいになります。
形状に不満がある場合はこの段階で修正しましょう。出力したいサイズが決まっている場合、ここで拡大縮小も済ませておくとよいかも。
5.立体化
輪郭とSVGをまとめて全部選択します。
「作成」メニューに「押し出し」があるので選びます。
右のほうにこういうメニューが出てくるので、適当な厚みを指定してOKします。ここでは土台になる板の厚みを決めます。
粘土板みたいなのができました。
あとは絵の部分をさらに押し出したいのですが、せっかく取り込んだSVGが見えなくなってしまったので…
画面の左のほうにあるツリー状のメニューから、「ボディ」を非表示に、「スケッチ」を表示にします。
これでSVGから取り込んだ線の選択ができるようになったので
Shiftキーを押しながらチクチク選択しました。もっといい方法がありそうな気がするのですが僕は知りません。
さきほどと同じく「押し出し」で絵の部分を盛り上げます。上のキャプチャはやりすぎなので数mmでいいです。
注意点としては右に出てくる「押し出し」ウィンドウ内、「操作」を「結合」にすることです。これをやらないとでっぱらせたつもりが穴になったり、輪郭と線が別オブジェクトになったりします。
だいぶできてきましたね!
6.穴をあける
ただの板ならこれでいいのですが、キーホルダーなので金具をつける穴がいります。
「スケッチ」「円」「中心と直径を指定した円」を選びます。そのあと面の選択になるので、作ったキーホルダー上の、絵のない部分をクリックしましょう。
そのまま丸を書きます。
続いていま書いた円を選択して、また「作成」「押し出し」です。今度は「操作」を「切り取り」にして、下方向に引っ張ります。
穴が開きましたね!
これで3Dモデルは完成です。「メイク」「3Dプリント」を選んで、stlデータを出力しましょう。
怖い。
7.出力
あとはいつも使っているスライサーで読み込みます。
キャプチャではCuraを使っています。あきらかに意図と違うので、回転や縮小を駆使しましょう。
いいですね!これで出力です。
8.仕上げ
出力したばかりのオブジェクトを、原画と並べたものです。けっこういい再現度です。
あとは色塗り&金具をつけて完成です。色塗りは普通に油性マジックで塗りました。何色か買っておけば、原画に合わせて塗り分けも可能です。
というわけで手順でした。記事も読んでね!