バンダイ ACアダプター Bタイプ を死んでも買いたくない

先日、下の子のクリスマスプレゼントのNEWくみくみスロープの話を書いたのですが、いっぽう上の子のクリスマスプレゼントはドラえもんひらめきパッドでした。

ドラえもんひらめきパッド

ドラえもんひらめきパッド

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ドラえもんと一緒に算数やら国語やら英語やらプログラミングやらの勉強ができるやつです。わりと良いものだと思いますが製品の詳細は本旨からそれるので割愛しまして、ここではその電源と格闘した話を書きます。

ACアダプタが別売り

話はクリスマス前にさかのぼります。事前調査によるとこの製品は電源を取る方法が2種類あります。いっこは本体に単3電池4本を入れる方法、もう一つは別売りのバンダイ ACアダプター Bタイプを使用する方法。

バンダイ ACアダプター Bタイプ

バンダイ ACアダプター Bタイプ

乾電池をいちいち交換するのは面倒ですしできればACアダプタで使いたい。しかしACアダプタなんか家にいっぱいあるのでできれば購入したくないですよね。Amazonの商品写真を見ると

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センタープラスの

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5.4V、700mAのようです。ちょっと電圧低めですが5VのACアダプタが家にあるので、クリスマス以降にそれを試してみるつもりでした。

憤怒

そして迎えた12月25日。無事子供はサンタクロースからひらめきパッドを受け取りました。一旦は乾電池で子供に遊ばせ、子供が寝たあとにACアダプタを挿してみました。

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なんかめっちゃグラグラするんですけど。そして電源は入りません。ジャック(メスの方)が奥まったところにあり、プラグ(オスの方)が届いてないっぽい。なにこれ、と思ってジャックを見てみると

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見たことのない、すり鉢状の形でした。なんだと!(激昂)

このような独自端子の存在を許してはならん。俺はバンダイ ACアダプター Bタイプ を死んでも買いたくない。絶対に手持ちのACアダプタでドラえもんひらめきパッドを動かしてみせる…!

ということでこの記事は、代替品のACアダプタでドラえもんひらめきパッドを動かすまでの記録です。

~ここから来世~

そういうことがあって、バンダイ ACアダプター Bタイプ を購入しました。

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死んでも買いたくない、と言った矢先で恐縮ですが、納得のいかない方は何らかの理由で僕は死んで、ここからは来世での出来事だと思っていただいて差し支えありません。
とにかく戦の基本はまず敵をよく知ることです。そのためにはいったん負けてみることも作戦のうちでしょう。

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手持ちのACアダプタとの比較。下がバンダイ。

で、見てくださいこのプラグ。まずプラグの根元の樹脂部分ですが、ACアダプタ側に丸い円盤状のでっぱりがあり、それよりプラグ側はどんどん先細りになっています。
また、プラグ自体もよく見る外径Φ5.5mmのものよりちょっと細めです。

プラグの太さ、電圧

ノギスで測ってみたところ外径は3.9mmっぽかったので、近いサイズのDCプラグを2種類購入しました。
内芯1.7mm、外径4.0mm
内径1.4mm、外径3.8mm

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3つ並べたところです。で、むりやり差し込んでみると

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どうやら4.0mmのほうがぴったりくることがわかりました。

プラグを挿したついでにACアダプタにも繋いでみます。

ここで思いついたのですが、せっかく自作するのでちょっと便利にしたいと思います。材料に普通のACアダプタを使うのをやめて、USB端子のついたACアダプタ&USBケーブルを使うことにしました。そうすればACアダプタをモバイルバッテリーに差し替えてモバイルで使うこともできます。天才。
いずれにしろ電圧が5Vなので、純正品の5.4Vにくらべてちょっと低めなのが心配です。とりあえずつないでみる。

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無事動作しました!5V電源でもドラえもんひらめきパッドは動作することがわかりました。あとはプラグの形状を整えれば、USB電源で気軽に使用できそうです。

プラグ形状の検討

次に、各プラグのサイズを計測しました。

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左半分にあるのがバンダイ純正品、右の上が外径4.0mmのDCプラグの金具のみ、右下が樹脂のカバーをつけた状態です。付属のカバーをつけるとジャックに全然入らないことが分かったので、新しいカバーを3Dプリントで作り直すことにしましょう。

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これは純正品(青)と、DCプラグの金具のみ(黒)を重ね合わせた図です。こうしてみるとDCプラグの方が出っ張っていてジャックの内壁に干渉しそうな気もするのですが、前段落で挿したときはとりあえず動作する位置まで入ったので、気にしないことにします。

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これがあたらしい樹脂カバーのイメージです。上の絵がDCプラグにカバーをかぶせたところ、下の絵がカバーの断面。円盤状の部品は強度を増すために斜面に変更しました。
カバーとプラグの固定をどうしたらいいのか全く見当がつきませんが、そこからは目を逸らしてとりあえず作ってみることにします。(本来はカバーの内側とプラグの根元にネジ溝が切ってあって固定できるようになっているのですが、同じことをするのは3Dプリンタの精度的に無理)

実装

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こんな感じの断面を、

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回転させて

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出力しました。

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適当なUSBケーブルを

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剥いて

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はんだづけして

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カバーをかける。

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懸案だったプラグとカバーの固定は、中にホットボンドを注入することで行いました。強度的な不安はありますが、そこは壊れたら考えよう。

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正規品との比較。わりと近い形ができている気が…?

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では、いってみましょう、スイッチ…

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オン!
……無反応です。ほほう。

バージョン2

調べてみるとプラグまでの通電はちゃんとしていたのですが、物理的にプラグがジャックの奥まで到達していませんでした。
原因としてはプラグをカバーにホットボンドで固定しているため、弾力性があり、カバーを奥まで差し込んでもプラグは奥まで押し込めていない(跳ね返されている)という可能性があります。

ちょっとカバーの形を変えて、バージョン2を作りました。

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こういう感じで、カバーの先端でプラグを奥まで押し込めるようになっています。

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違いが分かりにくいと思いますが完成図。

では、いよいよドラえもんひらめきパッドに繋いでみましょう。

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スイッチ…オン!

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きた!!!!!!!!

家にあったACアダプタで、ドラえもんひらめきパッドを動かすことができました!これでバンダイ ACアダプター Bタイプ を買わずに済む!!!!!!!!

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所感

というわけで代替品の自作に成功しましたが、その過程で純正品を買ってしまったので普通にそちらを使っています。というかやっぱり適当に作ったものなので
・脆いので子供に使わせたら一瞬で壊れそう
・接着や絶縁が適当なので何らかの理由でショートしたりすると危ない
・そもそも完成度が低いので繋いでも点いたり点かなかったりする
以上の理由で使えねえなという感じです。これ以上がんばって精度上げても、自分の技量だとこれらの心配が不要になることはないでしょう。この記事は単にロマンの追求です。

やっぱりおもちゃメーカーの安全への配慮というものは並々ならぬものがあり、純正のACアダプタにしても品質管理がしっかりしているであろうことはもとより、端子が独自なのも子供が間違って普通のACアダプタの12ボルトのやつとか挿そうとしても刺さらないようにという配慮だと思うんですよね。そういうのひっくるめてやはりここは純正品買うのが正解と言わざるを得んな、と思いました。自作した者だけが得られる「わかり」を得ました。

バンダイ ACアダプター Bタイプ

バンダイ ACアダプター Bタイプ

「バンダイ ACアダプター Bタイプ 代替」で検索してやってきた未来のあなたへ。おとなしく買え。