続・Raspberry Pi で使えるポータブルモニタと小型キーボードとマウスのおすすめ

※2018/02/06追記:
モニタは決定版が出たのでこっちを買おう

先日このようなエントリを投稿したのですが、
nomolk.hatenablog.com
その後、「なんかもうちょっといいのがあるんじゃないか」と思ってアマゾン探検に出かけ、2つほど購入してみたのでその使用感を書きます。

想定としては前回同様、出先での環境設定や起動作業、緊急のデバッグ等でちょっと使うことがメイン(開発や長文執筆などのガチ用途には使用しない)、なので快適さよりも携帯性と価格重視、という観点で選んでいます。

手のひらサイズキーボード(超おすすめ)

手のひらサイズのキーボードで、しかもトラックパッドがついています。

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ここまで小さくて一通りの操作ができて、キーボードとポインティングデバイスがUSBポート1コで兼用できる。まさにRaspberry Piのためにあるようなデバイスです。これでマウスとキーボードを差し替えながら作業(昔のモデルはUSBポート2つしかないんですよ)しなくて済む!!!!!ありがとうEwin!!!
さらにバックライト付きで暗所展示にも対応、あとなぜか懐中電灯機能もついています。

キーは昔のガラケーのボタンみたいなコチコチした押し心地です。開発作業に使うと何らかの刑っぽい感じになりそうですが、緊急時用ならこの携帯性は何事にも勝ります。
トラックパッドはデフォルトだとマウスカーソルが音速で飛んでいくので、OS側で感度設定しましょう。

ちなみに前回「昔のRaspberry Piは電源が貧弱なので、有線が基本」ということを書きましたが、これはもう完全に私が間違っておりましたという気持ちです。
本体のUSBポートにWifiドングル(定番品のGW-USNano2A)とこれのレシーバを刺した状態で快適に動作しました。

マニュアルによると日本語入力系で一部特殊な操作があると書いてありますが、

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このあたりはWindows環境向けの記述のようです。IMEにuimを入れて試したところ普通にShift+Spaceで日本語入力できました。


ここまではいいことづくめなのですが実はものすごい弱点があって、「|」を入力するキーがないです。どこかに「|」と書いたテキストファイルを置いておいて、いざというときコピペできるよう準備しておきましょう。でも今回の想定シーンではあまり使わない気がする。(2018/2/8 訂正:「|」はShift+Fn+右上の「¥ろ」のキーで入力できました!!!見つけるのに1年3か月かかった!!!)
あと充電端子がUSB-ミニBなのが惜しい。

ちなみにBluetooth用もあるのでBluetoothレシーバ使うプロジェクトならこっちでもいいかも。

あとちょっとでかいけどキー数が多くて値段も安い、こういう選択肢もあります。上記のが3200円くらいでしたが、こちらは2000円くらい。「|」キーがある!!


4インチ タッチスクリーンモニタ(GPIO使わないならいいかも)

↑なぜかちゃんと出ないけどこれです

前回のエントリで3.5インチのを紹介しましたが、同価格帯でもう少し大きく、レビューも高評価な製品があったので買ってみました。HDMIケーブルでつなぐのではなく、Raspberry Pi本体にGPIO端子で直接くっつけるタイプ。購入時価格2999円です。

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解像度が480x320しかないのですが、意外にいい感じですね。GUI画面も見てみましょう。

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さすがにちょっと狭い。色味が青いのは写真うつりの問題なので、現物は普通にきれいです。

本体は基板むき出しですが、配線の露出は最低限なので持ち歩きにも耐えそう。接続したRaspberry Piごと梱包材に包んで適当なケースに入れてしまえば携帯性は抜群です。
タッチパネルつきなのでソフトウェアキーボードが使えて、GUI環境なら入力デバイスがない状況でも何とかなるという利点もあります。

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タッチパネルはキャリブレーションが必要です。やり方はパッケージに入ってくるこのくしゃくしゃの紙に書いてあります。いままで購入したあらゆる製品の中に入っていた紙の中で一番くしゃくしゃでした*1。あとGUIの設定メニューからもできます。

ちなみにつないだだけでは画面は映らず、ドライバを入れる専用のカスタマイズ済みRaspbianを使用する必要があります。
カスタマイズ済みOSは割と頻繁に更新されていて、最新に近いバージョンが入手可能です。ただ、一度まちがえて古いのを入れてしまった際に最新化しようと sudo rpi-update したら、画面が映らなくなってしまいました。後からのアップデートはできないと考えたほうがよさそうです。ドライバの方を入れた場合はアップデートしても大丈夫そうな気がします。試してないけど……。

注意点がいくつかあって、

  • GPIOポート接続のため、センサーとか自作回路つなぐ系のプロジェクトのデバッグには使えない
  • GUIで使うには画面が狭い(大きめの設定ウィンドウのコンポーネントが画面外にはみ出て操作できない場合がある。Wifiの接続設定はできる)
  • HDMI接続したモニタと同時出力はできない&切り替えは手動
    • 切り替えには簡単なコマンドを叩かないといけないので、例えば「家のHDMIモニタで作業したあと、そのまま持ち出してしまった!!」というような場合、LCDモニタに何も表示されない状態で切り替え作業を遂行しないといけません。

多少の癖はありますが、GPIOのデバッグができないと困るとかGUI環境をメインに使いたいとかいう人以外なら、値段を考えると選択肢としてはアリではと思います。

5インチ タッチスクリーンモニタ(未購入)

同様の製品でも、5インチ以上になるとHDMI接続になります。用途が広がりそうと思うのですが、解像度が上がる(800×480)せいか値段が5000円近くまで上がります。

このタイプだとGPIOに刺さなくても使えますがその場合Raspberry Pi本体とは別電源が必要なのと、タッチパネルはGPIO接続でないと使えないみたいです。
で、わざわざ別電源まで用意するんだったら前回ご紹介した車載モニタのほうが、ちょっとかさばるけど頑丈そうだし高解像度だしいいのではという気がしないでもないです。

なお、どちらもaliexpressで探すと同等品と思われるものがもっと安く見つかります。

以上、アマゾン探検隊からのご報告でした。

*1:僕の購入時と販売業者が変わっているので今はもっといい紙かもしれません